2013年 01月 07日
てんのうじの祭りと地蔵尊2 |
○千日まいり
一般に千日まいりとは、千日の間続けて神社・仏閣に参詣祈願することをいうが、特定の日に参詣すれば千日お参りした功徳があるという千日まいりもある。四天王寺の千日まいりも観音菩薩の功徳日として8月9日と10日の両日おまいりすれば千日の功徳にあずかるというものである。江戸時代の『難波鑑』(延宝8年刊)に「天王寺千日詣七月十日、この日天王寺へまいれば千日にむかふとて、参詣の群衆大かたならず。」とか、『浪速の梅』(寛政12年刊)には「毎年七月十日は、聖霊を迎ふとて、天王寺へ参ること未明より、老若男女おびただしく群衆す。」とある。いずれも四天王寺の千日まいりへの人々の参詣が大変多かったことを示している。今日では、9日の日には亀の池上の石舞台にて一山式衆による観音供法要が催され、また、両日、境内では千日市と称して、全国各地の民芸品を売る店々が並び、石舞台ではさまざまな催しが行われる。
開催期間:8月9日~10日
場所:総本山四天王寺
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○大阪薪能
薪能は奈良の春日大社への奉仕として、興福寺の南大門の芝の上で薪明かりの中で能を舞ったのがはじまり。「大阪薪能」は、約450年前の天文15年に生國魂神社の御遷座を祝い演能されたという故事にならい、大阪薪能委員会・能楽協会大阪支部の共催で昭和32年から開催されている。「かがり火」の明かりによって演じられる薪能。そこに映し出される幽玄・神秘の世界は、観る人の心をとらえ、深い感動を与えてくれる。大阪の夏の夜を彩る風物詩としてすっかり定着している。
開催期間:8月11日~12日
場所:生國魂神社
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○盂蘭盆会
四天王寺では千日まいりに続いて、お盆(正式には盂蘭盆会という)が行われる。お盆は、8月の13日に精霊をお迎えし、15日まで各家にて十分な供養ともてなしをし、16日に送り火を焚いてお送りするという、まことに麗しい日本の風習であり、伝統の仏教行事である。四天王寺ではこの期間、各お堂にて各家のご先祖の供養をする。また、8月9日からお盆の終わる16日まで、日没と同時に四天王寺の伽藍内では各家の精霊を供養する万灯ローソクが点ぜられ、灯火のなかに浮かび上がる五重塔や伽藍の壮大な景観はすばらしい。
開催期間:8月13日~16日
場所:総本山四天王寺
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○地蔵盆
私達の身近な仏様として観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王の三尊があるが、中でも、「お地蔵さん」とよばれ童話や歌謡曲にも出てくる地蔵菩薩は最も身近なものである。天王寺区内にも、寺院の境内や道路の端、路地の奥、公園の片隅などでひっそりとまつられているお地蔵さんを数多く見つけることができる。現世でのご利益をかなえてくれるお地蔵さん。交通事故が何回も続いた地域でお地蔵さんを安置したところ、それ以後事故がなくなったともいう。地蔵盆は、関西では8月23日から24日にかけて行われる。天王寺区内でも大半がこの間に行われる。地蔵尊を飾りたて、提灯をつけ、花や菓子、果物を供える。子ども達はこれを楽しみに地蔵巡りをする。盆踊りや映画大会、福引、数珠繰り、護摩焚き等のほか、金魚すくい、輪投げ、かき氷、綿菓子、紙芝居と、各町で趣向を凝らした行事が行われ、お年寄りから子どもまで皆が楽しむ、地域に密着した祭りである。最近では子どもや世話人が少なくなり、続けていくのが難しいところもあるが、地域の人々の心が触れ合うほのぼのとしたお祭りである。
・天王寺
大道4丁目地蔵尊 大道4-6、大道北公園内 8月23日・24日
旧粉河萬吉地蔵尊 大道3-7、稲生公園内 8月22日・23日
清水地蔵尊 堀越町3-11 8月23日・24日
・大江
子安地蔵尊 四天王寺1-14-17 8月23日・24日
子安地蔵尊 四天王寺1-11-93 8月23日・24日
六万体地蔵尊 夕陽丘町4-8、真光院内 8月24日
聖和
和光北向地蔵尊 寺田町1-5、寺田町公園内 8月23日・24日
大願王地蔵尊 寺田町1-4、興国高校東 8月23日・24日
平和地蔵尊 勝山3-10-6 8月下旬、土・日
子安地蔵尊 国分町14、国分町公園内 8月23日・24日
・五条
将軍地蔵尊 上本町8-9-14 8月23日・24日
勝一延命地蔵尊 勝山1-11-9、真法院内 8月23日・24日
・桃丘
延命・子安地蔵尊 石ケ辻町9-5 8月23日・24日
石ケ辻東町会延命地蔵尊 石ケ辻町14-14 8月23日・24日
六万体地蔵尊 上本町6-6-1 8月23日・24日
子安地蔵尊 石ケ辻町16-14 8月23日・24日
・生魂
発心地蔵尊 上汐4ー2、上汐公園内 8月23日・24日
馬場先三体地蔵尊 生玉前町3-1 8月23日・24日
延命・六地蔵尊 下寺町1-1-30 8月23日
・桃陽
方除地蔵尊 東上町4-6 8月23日・24日
細工谷北向地蔵尊 細工谷1-3-32 8月20日~、日曜日を含む2日間
・味原
子安地蔵尊 舟橋町17-1 8月23日・24日
北向地蔵尊 味原本町13-20 8月下旬、土・日
子安地蔵尊 味原町6-3 8月23日・24日
福徳地蔵尊 味原町6-22 8月23日・24日
子安地蔵尊 味原町4-1 8月23日・24日
真田山
寿福延命地蔵尊 玉造元町3-34 8月23日・24日
子安地蔵尊 玉造元町21-26 8月23日・24日 27
延命地蔵尊 東高津町2、東高津公園内 8月23日・24日
玉造本町北向地蔵尊 玉造本町7-18 8月23日・24日
○彦八まつり
近世以来、社寺の境内や門前は漫才や軽口咄などの諸芸能の興業地となったが、生國魂神社の境内にも様々な芸能者が集まってきた。なかでも江戸期の元禄・亨保の頃に上方落語の祖ともいうべき「米沢彦八」が出て名声を博した。その後も名人が輩出して、今日の上方落語の隆盛の礎となった。「米沢彦八の碑」は平成2年9月5日、上方落語協会の総意により、彦八ゆかりの当地の境内に建立された。翌年より彦八の碑建立の意義を後世に伝えるとともに、上方落語の発展を祈る催しとして、「上方はなし・彦八まつり」が行われている。
開催期間:原則として9月の第1土・日曜日
場所:生國魂神社
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○天王寺区民まつり
大阪市では、昭和48年以降、暖かい心のふれあうまちづくり、健康で創造性豊かな生活の営めるコミュニティづくりに取り組むこととなり、区民まつりは、その一環として昭和49年から各区で毎年7月から11月にかけて実施している。第1回天王寺区民まつりは昭和50年に天王寺区創設50年記念事業の一環として始まり、昭和55年の天王寺区コミュニティ協会の設立により、コミュニティ協会主催事業として続けられている。毎年7月の最終の日曜日に五条公園で行っていたが、平成13年の第27回より9月の第2日曜に行っている。区民まつりは「愛染さん」に始まる天王寺の夏を彩る伝統的な夏祭りとは一味ちがった手づくりの新しい夏祭りとして定着し、区民のわが町意識や連帯感の高揚に大きな役割を果たしてきた。区民まつりは、区民が企画し実施する、区民が自らつくりあげる祭りであり、そのため、区内各種団体や官公署、企業等ははやくから会合や準備を重ね、それぞれ趣向を凝らした催しものや「飲んで食べて遊べるコーナー」「くらしのコーナー」を設けている。音楽隊の演奏・バトントワリング・子供神輿・フォークダンス・民踊・盆踊りなどが、午後3時から8時まで会場一杯に繰り広げられている。おでんやジュース・子どもの遊び・交通安全など30を超えるコーナーには、大きな人の輪ができる。例年約2万人の人出で賑わい、子どもからお年寄りまでにこやかな笑顔に出会える楽しい祭りである。
開催期間:9月の第2日曜日
事務局:天王寺区コミュニティ協会
大阪市天王寺区生玉寺町7-57
電話:06-6771-9981
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
○紙衣さんのお衣替え
四天王寺万灯院は伽藍の西南の隅に北向きに建つ入母屋造、丹塗りのお堂で、創建は聖武天皇の勅願によるという。現在の万灯院は、昭和20年の大阪大空襲で焼失した後にもとの椎寺薬師堂を移建した。本尊はもと千手観音であったが、移建落慶の折り、十一面観音坐像をお迎えした。特に、紙衣の羅漢、つまり紙衣仏をおまつりすることから「かみこ堂」とも呼ばれる。この羅漢、五百羅漢の一人で難病に苦しみながら紙の衣を着て修行したといわれ、その死に際して、病苦に悩むものが自分を念じたならば、必ず直してやろうという誓願をたてられたという。これは全国でも四天王寺だけといわれ、病気平癒を祈願する多くの人々が参詣する。万灯院では、古来10月10日に「法華十講(ほっけじゅっこう)」という法要が修されたが、現在はこの日に十一面観音供法要が執り行われる。また、この日には、紙衣仏のお衣替えの式が行われ、一年間着せてあった紙衣を新しいものに替える。この時参詣された人はその衣を着せてもらい、これを3年続ければ病気になっても、また、臨終の時でも人にあまり世話をかけないといわれている。
開催期間:10月10日
場所:総本山四天王寺万灯院
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○鞴(ふいご)祭り
生國魂神社の境内社のひとつである鞴(ふいご)神社は鍛冶の神をまつり、11月8日の鞴(ふいご)祭りで日本美術刀剣保存協会の刀匠による刀剣鍛練神事が奉納される。
開催期間:11月8日
場所:鞴(ふいご)神社(生國魂神社内)
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○義士祭り
吉祥寺は万松山吉祥寺と号し、禅宗永平寺を開いた道元禅師を祖とする。寺は赤穂藩主浅野家の祈願所であり、藩主長矩(ながのり)侯は江戸参勤の途中必ず立ち寄って休息し、寺の護持に尽くしたという。当時の住職縦鎌和尚は赤穂の出身で、長矩侯とも親交があった。義士の墓は元禄の頃より多くの人々の厚い真心によって現代まで祀り続けられており、戦災を免れ現存する貴重な歴史的遺産となっている。義士祭りは戦争を境にして一時途絶えていたが、昭和28年、講和条約締結の年に「青少年の心に火を灯す運動」の一環として大阪義士会が結成され復興した。義士祭り当日(※)は、午前 10時より吟詠や奉納武道、奉納太鼓、奉納落語等が行われ、お昼から子どもたちの可愛い四十七義士時代行列が寺を出発する。また、名物「討入そば」の接待もある。(※平成22年から第2日曜日となっている。)
開催期間:12月第2日曜日
場所:万松山吉祥寺
大阪市天王寺区六万体町1-20
電話:06-6771-4451
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
一般に千日まいりとは、千日の間続けて神社・仏閣に参詣祈願することをいうが、特定の日に参詣すれば千日お参りした功徳があるという千日まいりもある。四天王寺の千日まいりも観音菩薩の功徳日として8月9日と10日の両日おまいりすれば千日の功徳にあずかるというものである。江戸時代の『難波鑑』(延宝8年刊)に「天王寺千日詣七月十日、この日天王寺へまいれば千日にむかふとて、参詣の群衆大かたならず。」とか、『浪速の梅』(寛政12年刊)には「毎年七月十日は、聖霊を迎ふとて、天王寺へ参ること未明より、老若男女おびただしく群衆す。」とある。いずれも四天王寺の千日まいりへの人々の参詣が大変多かったことを示している。今日では、9日の日には亀の池上の石舞台にて一山式衆による観音供法要が催され、また、両日、境内では千日市と称して、全国各地の民芸品を売る店々が並び、石舞台ではさまざまな催しが行われる。
開催期間:8月9日~10日
場所:総本山四天王寺
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○大阪薪能
薪能は奈良の春日大社への奉仕として、興福寺の南大門の芝の上で薪明かりの中で能を舞ったのがはじまり。「大阪薪能」は、約450年前の天文15年に生國魂神社の御遷座を祝い演能されたという故事にならい、大阪薪能委員会・能楽協会大阪支部の共催で昭和32年から開催されている。「かがり火」の明かりによって演じられる薪能。そこに映し出される幽玄・神秘の世界は、観る人の心をとらえ、深い感動を与えてくれる。大阪の夏の夜を彩る風物詩としてすっかり定着している。
開催期間:8月11日~12日
場所:生國魂神社
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○盂蘭盆会
四天王寺では千日まいりに続いて、お盆(正式には盂蘭盆会という)が行われる。お盆は、8月の13日に精霊をお迎えし、15日まで各家にて十分な供養ともてなしをし、16日に送り火を焚いてお送りするという、まことに麗しい日本の風習であり、伝統の仏教行事である。四天王寺ではこの期間、各お堂にて各家のご先祖の供養をする。また、8月9日からお盆の終わる16日まで、日没と同時に四天王寺の伽藍内では各家の精霊を供養する万灯ローソクが点ぜられ、灯火のなかに浮かび上がる五重塔や伽藍の壮大な景観はすばらしい。
開催期間:8月13日~16日
場所:総本山四天王寺
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○地蔵盆
私達の身近な仏様として観音菩薩・地蔵菩薩・不動明王の三尊があるが、中でも、「お地蔵さん」とよばれ童話や歌謡曲にも出てくる地蔵菩薩は最も身近なものである。天王寺区内にも、寺院の境内や道路の端、路地の奥、公園の片隅などでひっそりとまつられているお地蔵さんを数多く見つけることができる。現世でのご利益をかなえてくれるお地蔵さん。交通事故が何回も続いた地域でお地蔵さんを安置したところ、それ以後事故がなくなったともいう。地蔵盆は、関西では8月23日から24日にかけて行われる。天王寺区内でも大半がこの間に行われる。地蔵尊を飾りたて、提灯をつけ、花や菓子、果物を供える。子ども達はこれを楽しみに地蔵巡りをする。盆踊りや映画大会、福引、数珠繰り、護摩焚き等のほか、金魚すくい、輪投げ、かき氷、綿菓子、紙芝居と、各町で趣向を凝らした行事が行われ、お年寄りから子どもまで皆が楽しむ、地域に密着した祭りである。最近では子どもや世話人が少なくなり、続けていくのが難しいところもあるが、地域の人々の心が触れ合うほのぼのとしたお祭りである。
・天王寺
大道4丁目地蔵尊 大道4-6、大道北公園内 8月23日・24日
旧粉河萬吉地蔵尊 大道3-7、稲生公園内 8月22日・23日
清水地蔵尊 堀越町3-11 8月23日・24日
・大江
子安地蔵尊 四天王寺1-14-17 8月23日・24日
子安地蔵尊 四天王寺1-11-93 8月23日・24日
六万体地蔵尊 夕陽丘町4-8、真光院内 8月24日
聖和
和光北向地蔵尊 寺田町1-5、寺田町公園内 8月23日・24日
大願王地蔵尊 寺田町1-4、興国高校東 8月23日・24日
平和地蔵尊 勝山3-10-6 8月下旬、土・日
子安地蔵尊 国分町14、国分町公園内 8月23日・24日
・五条
将軍地蔵尊 上本町8-9-14 8月23日・24日
勝一延命地蔵尊 勝山1-11-9、真法院内 8月23日・24日
・桃丘
延命・子安地蔵尊 石ケ辻町9-5 8月23日・24日
石ケ辻東町会延命地蔵尊 石ケ辻町14-14 8月23日・24日
六万体地蔵尊 上本町6-6-1 8月23日・24日
子安地蔵尊 石ケ辻町16-14 8月23日・24日
・生魂
発心地蔵尊 上汐4ー2、上汐公園内 8月23日・24日
馬場先三体地蔵尊 生玉前町3-1 8月23日・24日
延命・六地蔵尊 下寺町1-1-30 8月23日
・桃陽
方除地蔵尊 東上町4-6 8月23日・24日
細工谷北向地蔵尊 細工谷1-3-32 8月20日~、日曜日を含む2日間
・味原
子安地蔵尊 舟橋町17-1 8月23日・24日
北向地蔵尊 味原本町13-20 8月下旬、土・日
子安地蔵尊 味原町6-3 8月23日・24日
福徳地蔵尊 味原町6-22 8月23日・24日
子安地蔵尊 味原町4-1 8月23日・24日
真田山
寿福延命地蔵尊 玉造元町3-34 8月23日・24日
子安地蔵尊 玉造元町21-26 8月23日・24日 27
延命地蔵尊 東高津町2、東高津公園内 8月23日・24日
玉造本町北向地蔵尊 玉造本町7-18 8月23日・24日
○彦八まつり
近世以来、社寺の境内や門前は漫才や軽口咄などの諸芸能の興業地となったが、生國魂神社の境内にも様々な芸能者が集まってきた。なかでも江戸期の元禄・亨保の頃に上方落語の祖ともいうべき「米沢彦八」が出て名声を博した。その後も名人が輩出して、今日の上方落語の隆盛の礎となった。「米沢彦八の碑」は平成2年9月5日、上方落語協会の総意により、彦八ゆかりの当地の境内に建立された。翌年より彦八の碑建立の意義を後世に伝えるとともに、上方落語の発展を祈る催しとして、「上方はなし・彦八まつり」が行われている。
開催期間:原則として9月の第1土・日曜日
場所:生國魂神社
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○天王寺区民まつり
大阪市では、昭和48年以降、暖かい心のふれあうまちづくり、健康で創造性豊かな生活の営めるコミュニティづくりに取り組むこととなり、区民まつりは、その一環として昭和49年から各区で毎年7月から11月にかけて実施している。第1回天王寺区民まつりは昭和50年に天王寺区創設50年記念事業の一環として始まり、昭和55年の天王寺区コミュニティ協会の設立により、コミュニティ協会主催事業として続けられている。毎年7月の最終の日曜日に五条公園で行っていたが、平成13年の第27回より9月の第2日曜に行っている。区民まつりは「愛染さん」に始まる天王寺の夏を彩る伝統的な夏祭りとは一味ちがった手づくりの新しい夏祭りとして定着し、区民のわが町意識や連帯感の高揚に大きな役割を果たしてきた。区民まつりは、区民が企画し実施する、区民が自らつくりあげる祭りであり、そのため、区内各種団体や官公署、企業等ははやくから会合や準備を重ね、それぞれ趣向を凝らした催しものや「飲んで食べて遊べるコーナー」「くらしのコーナー」を設けている。音楽隊の演奏・バトントワリング・子供神輿・フォークダンス・民踊・盆踊りなどが、午後3時から8時まで会場一杯に繰り広げられている。おでんやジュース・子どもの遊び・交通安全など30を超えるコーナーには、大きな人の輪ができる。例年約2万人の人出で賑わい、子どもからお年寄りまでにこやかな笑顔に出会える楽しい祭りである。
開催期間:9月の第2日曜日
事務局:天王寺区コミュニティ協会
大阪市天王寺区生玉寺町7-57
電話:06-6771-9981
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
○紙衣さんのお衣替え
四天王寺万灯院は伽藍の西南の隅に北向きに建つ入母屋造、丹塗りのお堂で、創建は聖武天皇の勅願によるという。現在の万灯院は、昭和20年の大阪大空襲で焼失した後にもとの椎寺薬師堂を移建した。本尊はもと千手観音であったが、移建落慶の折り、十一面観音坐像をお迎えした。特に、紙衣の羅漢、つまり紙衣仏をおまつりすることから「かみこ堂」とも呼ばれる。この羅漢、五百羅漢の一人で難病に苦しみながら紙の衣を着て修行したといわれ、その死に際して、病苦に悩むものが自分を念じたならば、必ず直してやろうという誓願をたてられたという。これは全国でも四天王寺だけといわれ、病気平癒を祈願する多くの人々が参詣する。万灯院では、古来10月10日に「法華十講(ほっけじゅっこう)」という法要が修されたが、現在はこの日に十一面観音供法要が執り行われる。また、この日には、紙衣仏のお衣替えの式が行われ、一年間着せてあった紙衣を新しいものに替える。この時参詣された人はその衣を着せてもらい、これを3年続ければ病気になっても、また、臨終の時でも人にあまり世話をかけないといわれている。
開催期間:10月10日
場所:総本山四天王寺万灯院
大阪市天王寺区四天王寺1-11-18
電話:06-6771-0066~8
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩2分
○鞴(ふいご)祭り
生國魂神社の境内社のひとつである鞴(ふいご)神社は鍛冶の神をまつり、11月8日の鞴(ふいご)祭りで日本美術刀剣保存協会の刀匠による刀剣鍛練神事が奉納される。
開催期間:11月8日
場所:鞴(ふいご)神社(生國魂神社内)
大阪市天王寺区生玉町13-9
電話:06-6771-0002
最寄り駅:地下鉄谷町線谷町九丁目駅徒歩3分
○義士祭り
吉祥寺は万松山吉祥寺と号し、禅宗永平寺を開いた道元禅師を祖とする。寺は赤穂藩主浅野家の祈願所であり、藩主長矩(ながのり)侯は江戸参勤の途中必ず立ち寄って休息し、寺の護持に尽くしたという。当時の住職縦鎌和尚は赤穂の出身で、長矩侯とも親交があった。義士の墓は元禄の頃より多くの人々の厚い真心によって現代まで祀り続けられており、戦災を免れ現存する貴重な歴史的遺産となっている。義士祭りは戦争を境にして一時途絶えていたが、昭和28年、講和条約締結の年に「青少年の心に火を灯す運動」の一環として大阪義士会が結成され復興した。義士祭り当日(※)は、午前 10時より吟詠や奉納武道、奉納太鼓、奉納落語等が行われ、お昼から子どもたちの可愛い四十七義士時代行列が寺を出発する。また、名物「討入そば」の接待もある。(※平成22年から第2日曜日となっている。)
開催期間:12月第2日曜日
場所:万松山吉祥寺
大阪市天王寺区六万体町1-20
電話:06-6771-4451
最寄り駅:地下鉄谷町線四天王寺前夕陽ケ丘駅下車徒歩3分
by ka_zu_bon
| 2013-01-07 21:46
| 風物詩
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