交通科学博物館は、大阪府大阪市港区波除3丁目11番10号にある交通・科学に関する博物館である。大阪環状線弁天町駅の高架下にあり、西日本旅客鉄道(JR西日本)が所有し、財団法人交通文化振興財団が運営している。
○概要
展示場は、屋内展示場、屋外展示場、第2展示場の3つ。屋内展示場のとっつきには、ML-500形リニアモーターカーが展示されている。そして、鉄道省資料を基に昭和初期の駅を再現した「昔の駅」、車掌ロボット「ポッポ君」が映像で鉄道の歩みを紹介する「ポッポシアター」、そして信号に従って模型電車を運転する「模型電車の運転」には休日には順番待ちの長蛇の列ができる。そして奥には当館で人気の高い「模型鉄道パノラマ室」がある。新幹線電車や寝台列車などの80分の1スケールHOゲージ鉄道模型車両が、巨大ジオラマの中を走行する運転ショーである。学芸員が集中制御板を操作し、解説を加えつつ手動で運転する。職員3名が日替わりで運転するが、マニュアルなど無いため、運転列車や車両の登場順番、解説内容、さらにはBGMもさまざまである。運転回数は、平日1日3回、土日祝は1日5回である。屋外展示場は、実物車両展示が中心である。7100形蒸気機関車「義経号」など9台の車両がある「プラットホーム・プラザ」は、2代目京都駅1番ホーム上屋のトラス構造を利用している。
第2展示場は、屋内展示場と専用通路で連絡する。世界の鉄道を映像で紹介する「世界の車窓」、ディーゼル機関車、保線機器などが展示されている。弁天町駅改札口と直結する北口ゲートもある。
2007年(平成19年)3月20日、一部展示室がリニューアルオープンした。列車運行と車両の仕組みをテーマとする第4室に縦8m、横7mの巨大ジオラマが設置され、700系「ひかりレールスター」や223系電車などの模型(1/35)が配備された。模型の運転操作をしながら信号や自動列車停止装置(ATS)など鉄道の安全の仕組みを学ぶことができる。運転台は実際に乗務員区所で使用されていた運転シミュレーターが活用された。模型の先頭には小型カメラが搭載され、映像を見ながら臨場感あふれる運転が楽しめる。ジオラマ中央に設けられたドームから模型が走行する様子を見ることができる。また、SL模型など従来の展示物も、展示台や解説パネルが一新された。2009年2月23-24日の複数の報道によれば、交通科学博物館の老朽化や手狭のため、京都市下京区にある梅小路蒸気機関車館を拡張して新しい博物館を建設し、車両などの展示品の一部を梅小路に移し、規模を縮小すると報じられた。また、2009年3月~「船・航空機・自動車」展示エリアに展示品が増やされている。増えた展示品は、閉館した交通博物館で展示されていたもので、航空機エンジン「ハ45(誉)」「JO-1」やベンツ1号車「ベンツ・モートルヴァーゲン」(複製)、「ミショー式自転車」「輪タク」などの自転車類、オートバイなど。
○図書室
調査・研究目的であれば、交通・運輸に関する図書・資料が閲覧できる。原則として土・日・祝日のみ開室でコピー不可ではあるが、オンラインで蔵書検索が可能である。
○利用状況
2008年(平成20年)度の入館者数は289,800人であった[2]。
○交通手段
JR大阪環状線 弁天町駅下車すぐ
大阪市営地下鉄中央線 弁天町駅「4番出口」下車すぐ
○沿革
昭和30年代初頭、日本国内の交通関係の博物館は東京の神田須田町にあった交通博物館が唯一のものであった。1957年(昭和32年)頃、大阪地区に交通博物館の分館を設置することが検討されたが、その後、交通博物館の分館としてではなく、交通博物館とはコンセプトの異なる現代・未来の交通に関する展示を中心とした博物館として設置することになった。大阪環状線全通記念事業として開館が具体化し、弁天町駅隣に「交通科学館」として設置されることになり、1961年(昭和36年)10月14日(鉄道記念日)の開館に向けて準備が進められた。しかし同年9月の第2室戸台風により工事が遅れて開館は延期され、翌1962年(昭和37年)1月21日に開館となった。上記のような経緯から、開館当初は鉄道に関する歴史的な展示は抑えられ、実物の鉄道車両の保存展示も蒸気機関車1両と客車3両のみであった。その後は鉄道車両のほかに歴史的な展示物も順次追加されている。
○所在地
大阪府大阪市港区波除3丁目11番10号